▼一人の女性住民の声(毎日・茨城県版より)

99,10,11 毎日新聞・茨城県版 女の気持ち   「消えない不安」  「お願いだから引っ越して」。母からの悲鳴のような声が、いまも耳に残る。  結婚して東海村に住んで15年になる。当初は夫の勤務先が原子力関連企業ということもあり、なんの不安も感じなかった。  でも、その神話は2年半前の再処理工場の事故で消し飛び、知れば知るほど原子力は怖いと思うようになった。これは「過ち多い人間が操っていいものだろうか」――と。  そして、今度の臨界事故。夫には、いまの仕事を辞めてほしいと思う。だが、この不況の中で、おいそれと次の仕事が見つかるわけがない。これから学費のかかる子どもや家のローン、仕事に誇りを持っている夫の気持ちを思うと――言えない。  だから、ここに住む。原子力のおかげで生活の糧を得ているのだから、そのリスクも負うべきだと思うから。原発に賛成する人は、原発施設の近くに住んでほしい。この不安と恐怖を体験してみてほしい。  安全な場所から、ものを言うのは簡単だ。発生当初、今回も政府のお偉方はここに来ようとはしなかった。そして「大丈夫だ、心配ない」という。でも不安は消えない。  「引っ越せ」という年老いた母からの電話を切って、大きなため息をつく私。子どもたちには原子力関係の仕事には就かないでほしい、そう願っている。 (茨城県東海村  匿名 主婦・39歳)

»

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です