会の歴史と集会の記録

掲載新聞記事(福井新聞)’93.7.6

hukuishinbun1_930706 反原発に宗教者結束 全国の三百人

きょう敦賀で「会」結成

 反・脱原発を目指す全国の宗教関係者が六日、敦賀市に集まり「原子力行政を問い直す宗教者の会」を発足させる。高速増殖炉「もんじゅ」の初臨界を前に、核武装につながりかねない現在のプルトニウム政策に対して反対行動を強めていくという。

 世話人の一人で小浜市門前、明通寺住職、中嶌哲演さん(51)=原発反対県民会議常任幹事=によると、全国各地の宗教関係者約三百人が宗派を越えて賛同している。このうち八十人は昨年十月、通産省などに国のプルトニウム政策をただす行動を行っている。新しい会の発足は「第二次大戦な ど日本が犯した過去の過ちの際、あまり声を上げてこなかった宗教者自身に対する問い掛けでもあるという。

 六日午後二時から、敦賀市の敦賀労働福祉会館で結成大会を開く。中嶌さんらが基調報告を行った後、各地で展開されている反原発の取り組みについて報告を受ける。二十七都道府県から約九十人の参加を見込んでいる。

 七日は同市白木のもんじゅを見学し、職員との質疑を行う。もんじゅの運転阻止に向け、同市に対して申し入れを行う。

 中嶌さんは「平和に敏感な宗教者としては、国が進めるプルトニウム政策に大きな危機意識を感じている。子孫の命を守るため宗派、信条を超えて一致できた。会は緩やかなネットワークとして各地での独自の取り組みを重視していきたい」と話している

結成全国集会(93,7,6)敦賀市長への申入書

▼敦賀市長への申入書

申し入れ書
1993年7月7日
敦賀市長 高木 孝一殿
原子力行政を問い直す宗教者の会
 原発をめぐる危機的な現状を憂い、その根本的な転換を願って、昨日、この敦賀の地において、私たちは「原子力行政を問い直す宗教者の会」を結成いたしました。大いなるいのちのいとなみを尊び、重んじている、それぞれの宗教(信仰)の立場に照らしながら、私たちは自らの過去と現在をも問い直しております。

 世界一の原発密集地にあって、様々な問題や住民の不安に応える責任を負っておられる貴職に、特に以下の3点について忌憚なく話し合い、要望いたしたいと思います。

1.高速増殖炉「もんじゅ」について
 昨年9月、最高裁はその判決の中で、設置者(動燃事業団)が「技術能力を欠くとき」、また「安全性に関する各審査に過誤、欠落があった場合」「従業員やその周辺住民等の生命、身体に重大な危害を及ぼし、周辺の環境を放射能によって汚染するなど、深刻な災害を引き起こすおそれがある」と指摘し、広範囲に居住する原告の適格を認めました。再三にわたる燃料製造のトラブルをはじめ、その「技術的能力」そのものに重大な疑義があるだけでなく、膨大な予算をつぎこんでの経済性も疑問視されています。そして何よりも、プルトニウムの危険性に加えて、その軍事的転用(わが国の核武装)に直結することを危惧する国内外の世論が高まっていることです。軍国主義・侵略戦争に協力した過去を深く懺悔して
いる私たち宗教者としては、最後の点が「もんじゅ」の最大の問題だと考えざるをえません。貴職が「もんじゅ」建設に同意された時期と現在とでは、高速増殖炉をめぐる状況は大きく変化しています。少なくともあらゆる情報を徹底的に公開させるとともに、「もんじゅ」の臨界・運転を認められないよう強く要望いたします。

2.敦賀原発3・4号機の増設について
 90%以上の福井県民が増設に反対していると度々報道されています。すでに15基も集中している“原発銀座”の住民として、あまりにも当然な反応だと言えましょう。しかも、そのほとんどの電力を消費しているのは大都市圏であります。被曝労働者や現地住民等を犠牲にしながら、「活発な経済活動」「豊かな生活」を維持・拡大するために原発を推進するという前提そのものを、私たち宗教者は問い直しております。地元自治体にとって原発は“金のなる木”であったことは事実かもしれませんが、大多数の敦賀市民や県民の声に耳を傾けていただき、また、これまで貴職自ら表明されてきた「つくって欲しくない」とのご意思通り、勇気をもって敦賀3・4号の増設を断わってください。

3.敦賀原発1号機の廃炉について
 最古の老朽原発である敦賀1号炉の廃炉を、地元自治体の主体性を発揮して貴職が提言されたことに、私たちも大きな感銘を受けています。元・原子炉設計技師の田中三彦氏は、「古い原発こそ問題である。整備された基準で過去の原発を見直さねば……」「実際、もし“いま”敦賀1号機をそっくりコピーした原発をつくろうとしても、国はそれを認めないにちがいない」(『世界』1988年5月号より)と警告されています。また若狭をはじめ国内の多くの原発の老朽化が進む中で、原子力安全委員会や通産省も“過酷事故”対策を講じなければならなくなりました。敦賀3・4号増設との「交換条件」ではなく、あくまで「提言」だと貴職は明言されています。どうかそのお言葉の通り、ご提言の具体化に尽力してください。

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