会の歴史と集会の記録

第3回 「六ヶ所」全国集会/掲載新聞記事・抜粋 東奥羽日報’95.74

第3回全国集会記事東奥羽日報

     核燃の問題点を提起
               六ヶ所・原子力行政を問う全国集会
            国内外から100 人が参加

 「原子力行政を問い直す宗教者の会」の全国集会が三日、三日間の日程で、六ヶ所村泊のやまいちホテルを会場に始まった。初日は、核燃料サイクル事業に関する問題提起などを行った。

 集会は今年で三回目。今回は八戸市の岩田雅一(日本キリスト教団)、六ヶ所村の坂井基哲(立正佼成会)両氏が集会代表となって同村で開いた。韓国人7人、フィリピン人一人を含む約100人が参加した。

 テーマは「国策=核燃サイクルを問う」。集会代表の岩田さん、石川県の長田浩昭さん、韓国から参加した朴在完さん、弘前市の千葉仁子さんの4人が問題提起や意見発表を行った。

 長田さんは満州開拓、高度経済成長、原子力政策などを例に挙げ「国策はだれを犠牲にするかを決めるところから始まる」などと述べた。千葉さんは、元六ヶ所村長の寺下力三郎さんが日本原燃などを相手取って起こした肖像権侵害訴訟を紹介し、「寺下さんの受けた侮辱は核燃反対者への攻撃」とした。さらに、「核のごみは発生者に返すべきだ」と訴えた。

 四日は核燃施設視察、弘前出身のルポライターで「六ヶ所村の記録」の著者・鎌田慧さんの講演、地元住民を交えての意見交換などを行い、集会宣言文をまとめる。宣言文は要望書として五日に村、日本原燃、科学技術庁青森原子力企画調整事務所、十日に県に対して提出する

第3回 「六ヶ所」全国集会(95,7,2)呼びかけ文

第3回 「原子力行政を問い直す宗教者の会」
『六ヶ所』全国集会 よびかけ文
テーマ 「国策=核燃サイクル」を問う ―今、宗教者として―

 現在51基の原油タンクが鎮座する。いまは完全に姿を消した上弥栄部落は、多くの旧満州「弥栄村」出身者によって入植開村された。彼らは、かつて満州への武装移民として「匪賊」(現地住民)の抵抗を受けながら入植し、到着した翌朝、「東方に向かって天皇陛下の弥栄を三唱」し、一年後には皇室繁栄を願う「弥栄神社」を建立した。青森県の弥栄村は、解体されて石油の国家備蓄のタンク群の下敷きとされ、その源流の「満州」弥栄村は、天皇のための戦争の防波堤とされたのだった。       (鎌田 慧著「六ヶ所村の記録」<下>より)
 彼らは、時の国策によって振り回され押し潰されてきた。「満州は日本の生命線」の掛け声の中で侵略に加担させられ、戦後は増産策を担って入植した地を、今度は「開発」(むつ小川原開発)の名のもとに追いやられた。地域発展が謳われたが、やってきたのは原油タンク(石油備蓄基地)だけであり、膨大な借金返済に迫われた失政のツケとして、核燃サイクル施設が現れた。そして今この地域は、史上最悪の、世界に類例のない原子力センターに姿を変えつつある。

 その間、六ヶ所村住民は、心身共に荒廃に荒廃を重ねさせられてきた。国策の名のもとに核の押し付けが既成事実化されつつある。さる4月26日(チェルノブイリ事故と同じ日)には、フランスから高レベル放射性廃棄物が搬入された。昨年末の三陸はるか沖地震で敷地内に亀裂が入った状態に於いて、である。この国の国策たるや、だれ一人責任を担うことなく進められている。六ヶ所村の歴史と現実がそのことを雄弁に語る。

 私たちはこの国にあって、同時代及び未来への責任性と倫理感をもって、真に歴史の経験を教訓としえるのだろうか。宗教者の戦争責任、かつての国策に対して教団や宗教者がどう対応したか、戦後はどうだったか、歴史の検証と反省ぬきには語れない。また何故六ヶ所村なのか、都市と地方(現地)にある問題を、国策の過去・現在を見つめることを通じて未来のビジョンを展望したい。さらに現在の日本の国策が究極的に核武装に向かうことを各国から懸念され、事実その方向に進みつつあることを、充分におさえながら、その国策によって過去・現在にわたって被害を受けてきたアジアの人々の声を聞き思いを共有したい。

 美しく厳しい自然・大地に立ち、六ヶ所村の地で今日起こっていることを見て、苦悩する人々と交流し、祈り、論じ、模索し合いたい。私たちは、「今、宗教者として」現地住民の止むに止まれぬ訴えに呼応し、歴史に肉薄し、共々に重い課題を担っていくためのはじまりとしたい。
                       1995年6月5日
                         「原子力行政を問い直す宗教者の会」
                          集会代表 岩田 雅一(日本キリスト教団)
                          坂井 基哲(立正佼成会)

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