福島の子へ のびのび北海道(2012年7月24日 朝日新聞大阪版)

朝日新聞大阪版に、寺子屋合宿の紹介記事が掲載されました。

 

 東京電力福島第一原発の事故の影響で屋外で遊びにくくなった福島県内の子どもたちや家族を、夏休みに北海道に招く。原発で脅かされた子どもたちのいのちを支えるそんな活動に、宗派を超えた全国規模の宗教者の団体が取り組んでいる。

 この活動は、仏教、神道、キリスト教など各宗派の人たちが1993年に結成した「原子力行政を問い直す宗教者の会」(事務局・法伝寺=兵庫県篠山市)を中心に、昨年の夏から始まった。北海道の内の寺や教会などが受け入れ、放射線量が増えた地域の子どもやその家族らに1週間ほど暮らしてもらう。滞在費や光熱費などは無料。福島から北海道までの往復交通費は宗教者の会が支払う。今夏は25日から8月26日まで4期に分け、10カ所以上に300人近くが滞在する。
 宗教者の会によると、子どもが放射線から受ける影響は大人の数倍とされる。福島の放射線量の高い地域の子どもたちは、自由に外で遊べない。せめて夏休みだけでも、親子で羽を伸ばしてもらおうという願いから始まった。昨夏には、親子合わせて300人ほどが参加した。
 受け入れ先の寺や教会では勤行や礼拝などの宗教行事があるものの、参加は強制ではない。昨年は地元の団体が、福島と北海道の子どもたちとの交流会を開いてくれた。「宗派の枠組みを超えた支え合いだと、地元が理解してくれた」と世話役の大河内秀人・寿光院住職=東京都江戸川区=は話す。
 宗教者の会は4月17、18の2日間、福島市内で全国集会を開き、原発事故で注目されている放射線被曝の問題などを専門家から学んだ。同19日には福島県庁を訪ねて「短期間でも遠隔地で保養することは子どもの体から放射性物質を減らし、親子の精神的な負担を和らげる効果がある」と理解を求めた。後日、県教育委員会事務局から「子どもの保養は健康管理上望ましい」と回答があった。
 大河内さんは「子どもたちを守るために様々な人が助け合い、地域で支え合う暮らしを回復させる。この活動の先にそんな日本の未来を描いてます」と話している。

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